研修医の おすすめの本について 記載していきたいと思います。
そもそも 研修医のお勧めの本とかは様々なブログで紹介されていますが 、科別だったりとか なんとなく Amazon のお勧めの方を入れてみたり~だとかで 感情が乗っていないと思います。
著者別で学ぶことのメリットとしては やはりその先生の考え方や哲学などを本を通して分かるということ
単純に好きだなっていう感情が学習に直結します。
少なくとも今回紹介する先生たちの本は自分が読んでいて本当に何度も助けられましたし本当に好きで、会いたい 勉強になりすぎるという強い感情がこもった本です。
圧倒的な個人の感想及び感情なので 参考になるかどうかわかりませんが少しでも読んだ時の感動と熱意が伝われば幸いです。
まず一人目は
早速著作を紹介していきます。
①心電図ハンター 胸痛/虚血編
②心電図ハンター 失神/動悸編
③骨折ハンター
④結局現場でどうする?Dr.増井の神経救急セミナー
⑤高齢者ERレジデントマニュアル
①心電図ハンター 胸痛/虚血編
心電図の勉強する上でよくありがちな心電図はこうだからこの病気といった単なる羅列で終わっている本ではありません!
札幌東徳洲会と言う スーパーハイパー病院で日々救急医として働く先生が日々の心電図をもとにその後のマネージメントまで 紹介している本です。
この本の特徴としては臨床で出会うような”グレーゾーン” 心電図をメインとして扱っているところです。
働いてみるとわかりますが 心電図の判定で困るのが STEMIでもないけれどもなんか普通の心電図ではないといったグレーゾーンの心電図です。
グレーゾーンだからこそ循環器内科を呼ぶべきか選択を迫られることになります。
そこからどこまで泥臭くグレーゾーンを無くしていけるか、それをエビデンスをもとに説明しています。
特に本書で挙げられている aVR の上昇や v2v3の陰性T波などは今まで自分が知らなかったということもあって圧倒的に勉強になりました。
また、研修医殺しなのが脚ブロックでの虚血の判断だと思います。
トロポニンが採血データとしてあるとはいえ、door to Balloon time がこれだけ叫ばれているなか心電図で脚ブロックであってもSTEMIかどうかの判断は必須です。
患者さんの身を守ることができるように一秒でも早く循環器内科の先生を呼んで カテまでつなげる、それが当直医としての役割となります。
そういった中で判断しづらい脚ブロックに対してどこまで戦えるのか、この本書を読むとロジカルに判断できるようになります。
②心電図ハンター2 失神・動悸/不整脈編
2冊目の心電図ハンターシリーズの失神・動悸/不整脈編は当直医であれば夜に一回は遭遇するであろう失神に対してのマネジメントで最重要となる心電図の読み方を紹介しています!
失神のマネージメントは心原性失神の可能性をどこまで潰せるかが肝になります。
心原性失神の一番難しいところは血液検査や画像上での評価は困難であり、緊急性の判断には泥臭く心電図での判断を行っていく必要がある、ということです。
そういった意味でマネージメントに直結する心電図の読み方は全研修医必読だと思います。
この2冊を通して、この先生の大ファンになりました。
臨床に身を投じている先生だからこその、悩みや捨てきれないところ、泥臭くやらなければいけないことについて赤裸々に語っているのも本当に尊敬します。
またこの本で勉強したことが圧倒的に臨床で役立ちます。
③骨折ハンター
3冊目は 骨折ハンターです 非整形外科が骨折疑いの患者さんを見る時に必須の本です。
この本ではいわゆる折れてるかよくわからない 骨折に対するマネージメントから、骨折線を知らなければそもそも診断は難しいという大前提のもと、各骨折部位で起こりうる骨折線についての学習から始まります。
この本では高齢者小児成人とに分けて、どういった骨折が多いのかどういうところに骨折線が入るのかどこの骨折線を見つけるべきなのか骨折線が分かった後のマネージメントがどうするのか それでも分からない時は帰宅できるのかなど書いてあります。
レントゲンを撮ることまでは僕たち研修でもできますがそこから先のマネージメントが全くわからなかった時にこの本を読んでなるほどということが何度もありました。
④結局現場でどうする?Dr.増井の神経救急セミナー
4冊目は神経救急セミナーです NIHSSを取って4.5時間以内なら T-PAを打つという流れは医師国家試験でどの人も学んできたことではあります。
ただ実臨床は全く異なり意識障害や構音障害の患者さんに対するNIHSSはどうとるのか、いまいち反応が鈍い人に対する評価はどうするのか視野障害の評価の仕方はどうするのかを解説してくれています。
また神経症候からどこの画像探しに行くのか 頭蓋内病変が見つかった後の血圧のマネージメントと その後のマネージメントについても書いています。
NIHSSは研修が必ずやらされると思いますが、その評価に個人差が出ることも多く一定のレベルの 事が分かるようになるまではこの本を読んで、この本で紹介されている動画を見て何度もイメージすることが大切だと思います。
⑤高齢者ERレジデントマニュアル
5冊目は 高齢者 ER レジデントマニュアルです。 前述した本たちを総まとめにしたような本で、ERで働く研修に対しての一つの指針とこれからなりうる本だと思います。
リアルではいわゆる綺麗な病歴の患者さんというのはほとんど来ません。 胸痛できて心電図でST上昇があったというのは診断してマネージメントが付きます。
なんとなく元気がない、ぼんやりしている、失神したかもしれない、痙攣したかもしれない、数日前から様子がおかしい・・etc ERに来る特に高齢者の患者さんは教科書通りの人でないことが非常に多いです。
そういった中でもがき苦しみながら診断をつけてその後のマネージメントを少しでも患者さんの利益になるようにしていくのか。
また、研修医が見逃してしまう社会背景や薬剤性のリスクなど学ぶべきことが大量にありすぎる本です。
購入したばかりですが何周も何周も読みたいと考えている本です。
以上で増井先生の本の紹介は終わりです。
素敵すぎる・・・
この方の圧倒的大ファンということもあってこの方の著書をほとんど全てを購入しています・・・
グレーゾーンに踏み込まないきれいな本というのは非常に多いです。
実際問題目の前の患者さんを助けるかどうかはグレーゾーンのリスクをいかに減らして評価できるか、また隠れた疾患を本当にちゃんと見つけられるか、自分が改善し続けることだと思います。
本当に尊敬しますし言葉の節々に現れる患者さんへの接し方や哲学など勉強になることばかりです。
ここまで最後まで読んでいただきありがとうございました。
また少しずつ更新していきますので、何卒よろしくお願いします。